販路拡大をテーマにブランドを育てる大泉物産

株式会社 大泉物産の創業者 大泉清作氏は、東京にて彫刻作家として活躍。宮内庁に多数の作品を納入していましたが、戦争が激しく作家活動が困難となり、1943年1月、生まれ故郷の新潟家燕市に戻りました。新潟県燕市幸町に大泉工場を設立し、当時は戦時中の為、飛行機部品の製造を始めました。戦後、大手カトラリーメーカーの下請けとしてスタートし、デザインを意識したオリジナル製品を作りたいと1973年には、2代目、3代目が「TRIO」ブランドを作り、どこにも無いオリジナルデザインを目指して製品を作り続けました。TRIOブランドのほとんどが3代目大泉一之輔会長のデザインです。工業高校出身ですが、物作りが大好きで現場が大好きな会長は、これまでに4回のグッドデザイン賞を受賞しています。

 

代表取締役社長 大泉一高さん
代表取締役社長 大泉一高さん

───オーレ・パルスビーさんとの出会い

1984年、ニューヨーク・テーブルトップショーに初出展し、デンマークの著名デザイナー、オーレ・パルスビー(Ole Palsby)さんと出会いました。日本の燕製品のきれいな仕上げに驚き、一緒に仕事をするようになり1988年にデザイナー契約を結びました。

この出会いがきっかけで、オーレ・パルスビーさんから「カイ・ボイスン」をご紹介いただきました。1991年に契約を結び大泉物産での生産を開始しました。

 

大泉物産ショールーム
大泉物産ショールーム
KAY BOJESEN
KAY BOJESEN

───ICHIの誕生

「ICHI」は1990年にデンマークでフォームランド賞、日本ではグッドデザイン賞を受賞した「チボリ」を継承し、改良・進化を行い2015年に完成いたしました。2010年に亡くなられたオーレ・パルスビーさん最後のデザイン「ICHI」は、「禅」や「茶道」の美学に強く影響を受け、日本の文化からインスピレーションを得てデザインしたものです

 

オーレ・パルスビーさんのデザインは、コンセプトや使い勝手を大切にしています。それが長く愛されるポイントだと思います。それぞれの商品には、語れるストーリーやポイントがたくさんあります。オーレ・パルスビーさんは、たくさんのデザイン画を残されましたので、今後少しずつ商品化できればと思っています。

 

ICHI
ICHI 手前がブラックのチタンコーティング、奥がツヤ消し仕上げ品

───ヨーロッパ、アジアへ販路拡大

「ICHI」や「カイ・ボイスン」は、コンシューマにとって人気商品です。今後、当社営業部も全国47都道府県の雑貨屋さんなどに営業して販売店を増やしていければと考えています。2018年9月には、英国にある日本文化の発信拠点「JAPAN HOUSE LONDON」では、「燕三条 工場(こうば)の祭典」とのコラボレーションによる企画展「Biology of Metal:metal craftsmanship in tsubame-sanjo 燕三条 金属の進化と分化」に参加しました。さらに、11月にスイスで開催された「Designers’ Saturday」に「燕三条 工場の祭典」として参加し「ICHI」や「カイ・ボイスン」を出品し、ヨーロッパでの反応の良さから新たな販路が見えてきました。

 

大泉物産ショールーム
大泉物産ショールーム

───製造工場見学

大泉社長の案内で、大泉物産の工場を見学させていただきました。工場の中は整理、整頓、清掃が行き届き金属工場とは思えないくらいにきれいです。若い社員も多く「TRIO」「ICHI」「KAY BOJESEN」などが製造されていました。

 

ロールの工程

 

半切(はんきり)の工程

 

柄押(えおし)の工程

 

ツボ押しの工程

 


研磨の工程

 

自動研磨の工程

 

検査の工程

 

洗浄の工程

 


 

data

株式会社大泉物産

 

〒959-1286 新潟県燕市小関151

TEL. 0256-63-4551 FAX. 0256-64-2291

E-mail info@ohizumibussan.jp

HP http://www.ohizumibussan.jp